これを選ぶに至るまでに母は考えた

子育てと趣味と仕事の両立を目指す日々の工夫とか。建築も少々。

0歳児から6歳児 子どものことば: 心の育ちを見つめる/子どもとことば研究会編・著〜保育園の連絡ノートがしんどい時は〜

絵本を見ていたらこんな会話がありました。
「かめさん、くらんげさん…たつのおともだち!」
「…たつのおとしごって言うんだよ」
「これはたつのおとしご!……でもさぁ、2人いるからさぁ、『おともだち』でいいんだよ」

保育園の連絡ノートに書いたものです。
保育園の3歳未満児クラスでは、先生との連絡ノート(連絡帳)があります。ほんの3、4行ではありますが、毎日書くのにネタがなかったりで結構しんどい…
でもこれ自分は持ってないけど、結構あとで宝物になると思う。
保育園の連絡ノートは、結構意義があると思うようになりました。
1つ目は、子どものライフログとして。毎日毎日親と先生で書く日誌のようなものなので、成長を感じる出来事とか、以前書いたことと変わってきたようなことを意識して書いています。また、休み中のことでも、初めての動物園や映画館など、何かマイルストーンになることがあれば書いておくといいと思います。
以前書いたことと同じことを書いても大丈夫。それはそれほどその子がのめり込んでいたこととかがわかる記録になります。

もう1つは先生のコメントのためのネタ
親もしんどいけれど、毎日何人分も書く先生は大変だと思います。親がいろいろ書くことで、それをヒントに園ではこうですよ、というようなコメントを書いてくださいます。こちら親の着眼点や考えていることが先生と共有でき、ノートが充実してきたように思います。

最後に1番大切な意義は、子どもと話す話題として
とてもいろんなことを話すようになりましたが、保育園の先生方がしっかり聴いてくれているおかげなんだろうなぁと思います。2歳児は話をするけれど、脈絡なくうまく引き出すには話したいテーマを把握している聞き手のフォローが必要です。ノートで子どもの話題を提供することで、先生方は子どもから話を聴きやすくなるはず。
大人もそうですが、共通の話題があったほうが話しやすい。だから、先生と子どもがたくさんお話できるよう、親がノートでほんの少し手助けできたらと思ってます。

働きながら、毎朝ノートを書くのは正直負担ではあるけれど、少し気持ちを入れて書けばきっと宝物になるのではないでしょうか。

保育園のノートで子どもの言動を記録する良さに気づいてから、より一層その思いを強めた本。

どちらかというと保育者(保育士さんや幼稚園教諭など)の視点からの内容であったが、乳幼児を育てる母としても子どものことばとのふれあい方を見直すきっかけになる本です。
この本の中に引用があった北原白秋(「鑑賞指導 児童自由詩集成」解説)の言葉にハッとしました。

あの無心な幼児たちの折に触れての片言の一つでも聞き逃さないでいたら、それがどんなに素晴らしい詩を成しているか、一つ一つに光っていない事はないのに驚かずにはいられますまい。感覚の素朴と純心と、しかも凡ての感激が新鮮であり、驚異に充ち満ちている故に、その言葉は生き、おのずからな韻律がそのままの詩の形を以て顕はれるのであります。その自然さは卵から生まれたばかりの小鳥の声のように無邪で自由であります。

擬人化、比喩表現や造語など、こどもたちの想像力や語彙の拙さを補う柔軟な発想によるこどもたちのことばに対して「子どものおしゃべり、可愛いね」というスタンスではなく、新鮮で詩的なことばをライブで聞ける幸せをかみしめつつ一緒にイマジネーションの世界を楽しみたいものです。そして、できるだけ採集していつか大きくなった子に伝えてあげたい。
また、この本を読んで想像力や共感力、それにより獲得されるコミュニケーション能力…子どもの心の豊かさを育むのに子どものことばと向き合うことの大切さを痛感しました。
きちんと聞く力をつけ、実体験や自分の頭で考えた事をつなげたり、伝えるためのことばを求める(そこには先に語彙としての知識なんてない方がいいのかもしれない)そんな体験を身近なところで時間をかけて、子どものことばに耳を傾けたり、親子の語らいの中で身につけていくのが理想です。時間がない、忙しい、と片手間であしらっているようではいけないな。いっぱいいっぱいお話しよう。子どもとのお話を楽しんでみよう。