これを選ぶに至るまでに母は考えた

子育てと趣味と仕事の両立を目指す日々の工夫とか。建築も少々。

出産育児のスピリチュアル寄りな感じが苦手で、小難しいエビデンスに安心できる母もしくはプレママが読んでみるといい本

出産終わっちゃったんですが、幼児育てている段階でも大変興味深く、学びのある本でした。


この本はタイトルで損をしていると思うのですが、臨床心理士の方の自身の子育て経験のエッセイが7割、それにかかわる発達心理学エビデンスが3割といった内容。
エッセイの文章に魅力があって、出産の章などは自分の経験と重ねるところがありました。
個人差あるものですが、これから出産される方は読んでみると臨場感感じられるかも。
そのエッセイに挟んで、発達心理学の研究内容が紹介されているため、特に心理学に通じてない私にもすんなり入ってきます。

特に今上の子のしつけで気にかかっている他の人の気持ちをわかってほしいというところなどは、ちょうど「心の理論」やサリーアン課題にかかわるところ…
そもそもまだ3歳では他の人の気持ちにたって考えるということは難しいということ。
(じゃあわかんない3歳児に対してはわかんなくてしょうがないと待つだけでよいのか、わからないなりに他の人の気持ちを伝えようとするべきなのか、この本はそこまで踏み込んだ内容ではありませんので疑問は残ってます。)

一方で私の顔をじっと見つめたり、「うっくん、あうー」と声を出し始めた下の子が自分で手を伸ばし触れたものから自分と自分のいる世界を学習していること。乳児はぼんやりしているのではなく、膨大な情報を吸収し新しい世界を受け止めて成長している。

結果的にタイトル通り「やさしく学べる」と感じられた本です。でも、ぜひ発達心理学を学ぼうとも思ってないお母さん方やプレママに一度読んでみてほしい。
Amazonのレビュアーで期待外れと評された方々は、「発達心理学」を学問的に学びたくてこの本を開いたところ、筆者ご自身の子育てエッセイが次々続き、「筆者の子育てから学べ」というような上から目線に感じるのかもしれません。どう考えても後者が手に取りたくなるタイトルである。もったいなすぎる。

発達心理学」とても興味深い学問なので、今後もう少し理解を深めていけたらなと思ってます。